アメジストの草原
紫色の水晶が
地面からにょきにょきと
生えている
それはまるで
群生するキノコのようだ
3本から5本の水晶の棒が
ひとつの株から生えていて
その一株のかたまりが
見渡す限り一面に拡がっている
水晶のかたまりと
隣り合う別の水晶のかたまりは
どれもほどよい距離感で
離れていて
ひとが歩くには
十分だ
足元に落ちている
紫色の小さな欠片たちは
踏むとジャリジャリと
音をたてる
見上げると 右側には
空をおおう おおきな
おおきな朱色の鳥居
私はこれから
そこを通る
ここは
どこだろう
初めて来る場所だ
それでもすぐ近くには 懐かしい
大好きな場所があることを
私は本能的に
知っている