月のうろこを食べるへび

マトモじゃないわたしがマトモに生きようとする奮闘記。夢の記憶、どこかで見た景色、ふと感じたこと。思うままに書いていきます。

自信がない

突然ひらめく

「私って、バカかもしれない」

 

道を歩いていたら、

突然、そう思った。

 

通り過ぎる人に罵倒されたわけでも

睨まれたわけでも、

石を投げつけられたわけでもないのに

 

突然そう思った。

 

 

私、学校の成績は良かったの。

 

高校は、本当の本当の田舎にある実家から

歩いて通える範囲っていう条件で決めたから

中途半端な進学校だったけど、

 

いつも成績上位だったし、

卒業時はALL5もらったし、

塾に行かずに偏差値55~70くらい。

 

でも、生き方が下手すぎて

理想喪失して大学で鬱になるわ、

鬱の残ったまま就職して

社会にボロボロに叩きのめされるわ、

お人好しなのか、自己犠牲で生きてて

それを辞めようと、とにかくよくのまま生きたり

逆に哲学とか心理学とか必死で勉強しちゃったら、

結局何を信じてもいいんだな、ってなって

自分が何をしたいのかわかんなくなるわ。

 

結果、大学卒業して8年経っても

大したキャリアも築けていない。

 

ああ、私、バカなんだな。

 

平日の昼間に道を歩きながら、

そんなことに気づいてしまったのです。

 

こんなことしてていいのね

ふと、目に入ってきたのは、

小さなビルの前でこそこそ作業をしている

1人の男性と1人の女性。

 

手元をよく見ると、

壁に水平に入った亀裂から

何かを取り出そうとしている様子。

 

ポストが壊れて、隙間から手紙を出そうとしているのかと思ったけど

どうやら、そうでもない。

 

配線を取り出そうとしているようにも

見えない。

 

なに、やってるんだろ。

 

2人とも、ものすごく真剣なのに

ものすごく不器用そう。

 

しかも、着ているのは作業服ではなく白衣。

 

作業員かと思いきや、

そのビルに入っている歯医者さんの

助手らしき女性と先生らしき男性だった。

 

手に持っているのは、明らかに施術器具だよね。

 

一体、何やってるんだろ。

 

夏の思い出

私が子供のころに好きだった遊びに

「歯医者さんごっこ」っていうのがある。

 

家の前の石垣が

ちょうど子供の腰の高さくらいで、

その石垣は一部が三角に割れていて

隙間に土が入っていた。

 

その土を、掘ったり水をかけたり

石垣から取り出して、

キレイにするのがわたしのお仕事。

 

そんなのを思い出した。

 

 

暑い日差しと、

平日の日中っていう、まったりとした空気感。

 

謎の作業をする歯科助手と歯医者さん。

 

歯医者さんって、

隙間をイジるのが好きなのかしら。

 

結局、なんでもありなのか

彼らが教えてくれたこと。

 

それは、

ーーーーーー

歯医者である僕らも

こんなことしているんだから

端から見るとバカだろう。

 

でも、君がバカだと思ったとして

それってどれほど大事なことなのかな。

 

僕らには、今これが大事なことだし

その瞬間に真剣でいるだけなんだ。

ーーーーーーーー

 

作業していた彼らが、

本当にそんなことを考えていたとは思えない。

 

思えないけど、

でも私にはそう聞こえた。

 

大事なのは、

優劣でも、善悪でも、良し悪しでもなくて

 

そこには存在しているのは

唯一、「選択」であるってこと。

 

その選択は、

誰のものでもなくて、

自分のものであるってこと。

 

 

自信とは、

選択の結果、動き続けることで

 

選んだ自分の信念に確信が持てたとき

ようやく得られるものなのでしょう。